建築には終わりがあるでしょうか。たとえば住宅を設計し完成させたとしても、そこに暮らす人によって住み方は変化しますし、庭の植物は成長し続けます。気候変動に対応せざるを得ない状況も考えられますし、家族の形も変わるでしょう。
社会的な要因も考えられます。地震などの自然災害、感染症の蔓延、各地での紛争など、社会の動静によってライフスタイルは変化を強いられ、それに合わせた暮らしになっていきます。
われわれの生活は、常に動いていて終わりがありません。
そこで、今回の課題を「ネバーエンディング・ハウス」としました。
建築と時間の関係は昔から考察されていますが、ネバーエンディングは時間だけの問題ではありません。空間の広がりも考えられますし、コミュニケーションのあり方からも想像できるでしょう。
さまざまな視点から「ネバーエンディング・ハウス」を考えてください。
みなさまのご応募をお待ちしております。
西沢立衛
ネバーエンディング・ハウスという名前の住まいは、増改築を繰り返す民家のようなものでもよいし、または大自然の中のアルピニストのテントのようなものでもよいし、または想像力の中で成長し続ける家でもよいし、要するに「死んだもの」でなく「生きたもの」、それは現在進行形の運動を内包する動的存在のことです。ダイナミックな生命感あふれる建築や空間を期待しています。
平田晃久
建築を設計することは、さまざまな境界を考えることでもある。しかし境界をつくることそのものが建築なのではない。むしろ、さまざまな境界を乗り越えて、いまではないいつか、ここではないどこか、わたしではないだれかが流れ込んでくることこそが、建築の本質なのではないだろうか。
吉村靖孝
終わってしまう家がある。人ひとりが死ぬと同時に解体され跡形もなく消えてしまうといった具合に。リノベーションは、それが終わらないようにするための知恵なのだ。では、終わらない家とは何だろうか。無限にリノベーションし続けることをやめて、はじめから終わらない家を提案してほしい。
羽鳥達也
建築の終わりとは何か。解体され記憶や記録から消えることだろうか。建築を遺伝子のようなものと捉えれば、絶滅した生物の遺伝子のように、現代に引き継がれているものもあるだろう。近年の災害を思い起こせば、実直にしぶとく生き残る建築を考えることもこの解答のひとつかもしれない。短命のわれわれが終わりのない建築を示そうとすることはどんな可能性を掘り起こすのか。新しい遺伝子の誕生を期待する。
藤村龍至
建築は時間とともに変化する構造体を何らかの条件によって「切断」することによって生じる、というのが磯崎新の見立てでした。現代ではCADによって図面の複製コストが下がった結果、データの「履歴保存」が繰り返され、新しい自由を獲得したのかもしれません。みなさんの見立てによる新しい建築像を楽しみにしています。
中川エリカ
テーマを決める議論の際に、「終わりがない」ということを英語にするとき、リピートとは異なる終わりのなさに期待をしたいという意見があり、「ネバーエンディング」となりました。もしかすると、「家」自体にも、新しい定義やまとまりを求めることができるのかもしれません。私たちがまだ知らない価値観に触れるような、フレッシュな提案に期待しています。
相臺志浩
当コンペは今年で半世紀を迎えました。“ending”には、終わりや終結、末期など負の言葉が思い浮かびます。それに“never”がつくと「決してない」「まったくない」など強い否定になります。絶対に壊れない家、高耐久な家などと想像しがちですが、それに固執せず、自由に考えてみてください。
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2024年11月14日(木) | 表彰式 | |
2025年1月 | 『新建築』2025年1月号で発表いたします |
全て展開
登録方法
インターネットにて登録の場合は、本サイトの登録フォームよりご登録ください。
官製ハガキにて登録の場合は、下記作品送付先までご登録ください。
FAXにて登録の場合は、03-5244-9338までご登録ください。
用紙
A2サイズ(420mm×594mm)の用紙(中判ケント紙あるいはそれに類する厚紙)1枚におさめること。模造紙等の薄い用紙は開封時に痛む恐れがあるので避けること。ただし、パネル化・額装は不可。
提出図面
配置図・平面図・立面図・断面図、透視図・模型写真など、設計意図を表現する図面(説明はできるだけ図面のみですること。各図面の縮尺は自由)。表現方法は、青焼、鉛筆、インキング、着色、写真貼付、プリントアウトなど自由。
登録番号の記載 & 登録票
提出方法 & 作品送付先
下記へ送付してください。
日新工業株式会社「日新工業建築設計競技係」[必ず明記のこと]
〒120-0025 東京都足立区千住東2-23-4
TEL:03-3882-2613
その他
締め切り 2024年10月1日