課題

屋根によって創られる空間

課題文

屋根は人間の生活空間を自然のさまざまな脅威から護るものであり、人間生活をささえる空間をその中に創り出す。
雨や雪、太陽の熱や光の厳しい自然条件から人間を護り、暖かく包み込む機能を、屋根は持っている。
そしてその創出する空間は、あるときは人々を止揚し、あるときは生活空間をシンボライズするかたちも創りあげる。
人類文化の歴史は、屋根によって創られた空間の歴史と歩みをともにしている。
屋根また、内部空間と同時に外部空間を構成する大きな要素なのでもある。
その土地の風土条件のなかから生み出された屋根のたたずまいは、その風土をもっとも特徴づけるものとして、人々に認識され、親しまれている。
一方、近代における技術の進歩は、風土的条件の制約を乗り越えて、さまざまな方法による人工環境を創り出した。
屋根を消去した建築は、近代技術のシンボルにさえなった。しかし反面、その機能のみが重視され、屋根が創り出す豊かな空間や、外部環境の重要な構成要素としての意義は、ややもすれば忘れられがちであった。
そうした視点に立つとき、今日、再び屋根が人間のための空間、および環境をつくる大切な要素として、デザインと技術の両者をふまえ、新たな人間性を尊重した生活空間の創出を望みたい。
今回の課題は、屋根の下にくりひろげられる生活機能を各自明確に設定し、それにふさわしい空間を設定することである。例えば居住施設、コミュニティ施設、あるいは広場の休憩施設やあずまやなどから、応募者が対象施設を自由に設定し、屋根によって創られる空間とのかかわり合いにおいて、それを設計することを望みたい。
敷地条件、規模、構造、使用料なども自由に想定してもかまわない。屋根のイメージをより豊かにする、創造力にあふれる応募案を期待する。

結果発表

一等

深沢俊則創和設計 33歳

堀江悦男創和設計 30歳

中里博明創和設計 33歳

二等

安田勝美大阪芸術大学 22歳

二等

工藤道雄桑沢デザイン研究所 21歳

小嶋一夫桑沢デザイン研究所 21歳

酒井和見桑沢デザイン研究所 23歳

平沢照敏桑沢デザイン研究所 26歳

牧田誠桑沢デザイン研究所 23歳

荒武はつ桑沢デザイン研究所 28歳

中根秀子桑沢デザイン研究所 21歳

長尾文子桑沢デザイン研究所 21歳

広田弘子桑沢デザイン研究所 21歳

三等

村野良子在オーストリア 26歳

村野聰在オーストリア 32歳

三等

鈴木高志在イギリス 26歳

Theo De Rouw在イギリス 25歳

三等

大野秀敏東京大学大学院 24歳

湯沢正信東京大学大学院 24歳

佳作

石田裕幸武建築設計研究所 24歳

宮崎力武建築設計研究所 25歳

野崎淑子武建築設計研究所 25歳

佳作

小玉祐一郎東京工業大学大学院 28歳

佳作

五十嵐恒彦清水建設 31歳

佳作

末次光昭末次設計事務所 42歳

村田良博末次設計事務所 28歳

草刈広行末次設計事務所 26歳

磯村利昭末次設計事務所 25歳

時高義博末次設計事務所 25歳

片山みどり末次設計事務所 21歳

佳作

archinco 

井出信隆早稲田大学 23歳

雨宮修桑沢デザイン研究所 23歳

板屋リョク早稲田大学大学院 23歳

湯本則之早稲田大学大学院 23歳

植田孝二早稲田大学 23歳

佳作

秋山和幸東京芸術大学大学院 24歳

佳作

グループ「作楽」 

宇塚幸生早稲田大学 23歳

大谷守孝早稲田大学 23歳

黒沼清早稲田大学 23歳

佳作

秋元敏雄山下設計 33歳

佳作

遠藤誠之桑沢デザイン研究所 35歳

市瀬昌昭桑沢デザイン研究所 31歳

米ノ井小夜子桑沢デザイン研究所 26歳

霜野隆桑沢デザイン研究所 22歳

佳作

青木康青木康建築設計事務所 29歳

賞金

  • 1等[1点]
  •  
  • 100万円
  • 2等[2点]
  •  
  • 各30万円
  • 3等[3点]
  •  
  • 各10万円
  • 佳作[10点]
  •  
  • 各5万円
全て税込

審査委員

審査委員長 芦原 義信 東京大学教授
審査委員 池原 義郎 早稲田大学教授
審査委員 林 昌二 日建設計東京事務所副代表
審査委員 宮脇 檀 宮脇檀建築研究室長
審査委員 土橋 隆 日新工業社長