一等
岡崎章臣野生司建築設計事務所 26歳
不意に降りはじめた雨に追われて軒先を借り雨やどりをする。そして雨足をながめながらぼんやりと空白の時間を過ごす。こうした光景は現在ではあまり見られなくなりました。分秒刻みのスケジュールで動いている現代、人びとは雨のなかでも目的地へ急ごうとします。また貸してもらえるような軒先のある建物も少なくなっています。しかしこの雨やどりという日常生活のなかでのささやかなハプニングは、目的に向かって猪突猛進する現代人の心に、ゆとりをもたらす要素となるものではないでしょうか。そしてまた、現代におけるそうした空間の意味は、社会にうるおいをあたえる役割を果たすものとして考えられないでしょうか。
今回の課題は、そうした意味を込めた「雨やどりの空間」です。
行楽地や運動場、まちの中や田舎道、そうしたところで思わぬ雨に出会ったとき、それを楽しく心豊かにやり過ごせる空間を設計して下さい。ほかの用を共有している空間でもかまいませんが、雨やどりが主目的なもので、雨の模様が直接眺められて、晴れたらすぐ出て行けるような設定にして下さい。
そして雨が降っていないときでも、その環境のなかで無用の用とでもいえる役割を果たしているような空間が望ましいと思います。
敷地、規模、構造などは問いません。各自設定した環境に相応しい建築化された空間として設計して下さい。
できるだけ自由に考えていただき、イメージの拡がりを求めたいと思います。
川口宗敏岐阜工業高校専門学校 27歳
森一彦岐阜工業高校専門学校 20歳
安江雅平岐阜工業高校専門学校 19歳
深田隆雄岐阜工業高校専門学校 20歳
浅野洋志(協力)岐阜工業高校専門学校 20歳
近藤博美(協力)岐阜工業高校専門学校 20歳
審査委員長 | 芦原 義信 | 東京大学教授 |
審査委員 | 西沢 文隆 | 坂倉建築研究所長 |
審査委員 | 池原 義郎 | 早稲田大学教授 |
審査委員 | 林 昌二 | 日建設計東京事務所副代表 |
審査委員 | 宮脇 檀 | 宮脇檀建築研究室長 |
審査委員 | 土橋 隆 | 日新工業社長 |