一等
橋本信人高島一級建築士事務所 25歳
現在、日本の社会構造は都市化への傾斜を深めつつありますが、その中で住居は、居住環境条件の悪化、地下の高騰による敷地の狭小化など、いちばんの矛盾と困難な問題を抱えています。しかし住居を抜きにしては、都市の存立を考えることはできません。都市は人間がより豊かに生活し、より快適に住むための場所でなければならないのです。建築家としてはそのために、現代に相応しい都市型住居のさまざまな可能性を追求しなければならないと思います。
今回の課題は、そのひとつであり、国の施策としても検討されはじめている「地下室のある都市型住居」です。
横への拡がりには厳しい制約のある都市空間の中で、縦への住空間の展開を考えようというものです。住居の地下室というと、日本ではまだあまり利用されておらず、暗くじめじめした空間を想像しがちですが、現代の建築技術はそうしたイメージを払拭し得るものを十分保持していることはいうまでもありません。仕方なしに地下空間を利用するということではなしに、2~3階になるであろう上階と合わせて、現代の都市に積極的に住むことができる住空間の構成を考えて下さい。半地下を含めて考えてもかまいません。利用の方法としては、収納場所としてはもちろん、接客空間、ピアノ練習室、ホビー室、DEN、寝室など、さまざまな可能性があると思います。
敷地、規模、階数、構造形式、家族構成など、課題の趣旨を生かすかたちで、各自自由に設定して下さい。創意あふれる応募案を期待しています。
審査委員長 | 芦原 義信 | 武蔵野美術大学教授 |
審査委員 | 大高 正人 | 大高建築設計事務所所長 |
審査委員 | 黒川 紀章 | 黒川紀章建築都市設計事務所所長 |
審査委員 | 宮脇 檀 | 宮脇檀建築研究室所長 |
審査委員 | 相田 武文 | 相田武文設計研究所所長 |
審査委員 | 土橋 隆 | 日新工業社長 |