課題

タテ空間の家

課題文

住まいの空間は、普通「ヨコ」への広がりとして考えられています。占有面積が限られた2階建てやメゾネット、高層の集合住宅などでも、「ヨコ空間」を積層したものとして理解されています。しかし「タテ空間」としての住まいが存立し得ると発想を転換するとき、そこに新しい発見があるのではないでしょうか。こうした発想の背景には、現代社会が抱えている過密化した都市の諸問題があります。建築家は、それを消極的に解決するだけでなく、問題が困難であればなお積極的に立向かい、新しい創造のバネとしなければなりません。
前回の課題はそうした状況のなかで、未利用の地下との関係に焦点を絞ったものでしたが、今回はトータルな視点から、地下室、屋根裏部屋、あるいは屋上までを含めた「タテ空間」の可能性を求めるものです。さらに高所願望というような心理的欲求と結び付けて都市型住居に限らない「タテ空間」の魅力を探し出すこともできるのではないでしょうか。
また住まいは、生活の物理容器であるだけでなく、家族が集まって人間的生活を営む「家」であることが必要です。人間らしさが息づき、想い出がしみ込むような空間こそが、「家」にふさわしいものだと思います。
このような「タテ空間」と「家」とのイメージが結合するところに、現代の住まいのひとつのあり得べき姿が見出されるのではないでしょうか。
環境・敷地条件、規模、構造、材料、戸建てか集合かなどは、応募者が自由に想定して下さい。
今回は第10回を記念して、特に海外旅行などの副賞が設けられております。この機会に「タテ空間の家」に挑戦して下さい。創造力溢れる応募案が寄せられることを期待しています。

結果発表

一等

上利益弘INA新建築研究所 25歳

山田透INA新建築研究所 24歳

二等

木田加夫利清水建設 26歳

室伏常容子清水建設 23歳

二等

松本裕高橋志保彦建築設計事務所 28歳

三等

八木充生多摩美術大学 26歳

川村信之多摩美術大学 24歳

吉田行雄多摩美術大学 24歳

三等

原隆明治大学 26歳

未次雅文明治大学 24歳

吉田真一明治大学 22歳

沼部裕之明治大学 21歳

高際充明治大学 21歳

岡村誠明治大学 23歳

村上英郎明治大学 22歳

三等

満田正二黒川紀章建築都市設計事務所 29歳

伊郷吉信群設計同人 29歳

佳作

平林雅博RIA建築綜合研究所 28歳

佳作

田中隆吉竹中工務店 33歳

佳作

松尾強アトリエ美山 27歳

佳作

遠藤剛宇都宮大学 23歳

伊藤晃宇都宮大学 25歳

田中敏夫宇都宮大学 26歳

飯塚直人宇都宮大学 26歳

原佳比己宇都宮大学 23歳

佳作

白井博康太平工業 32歳

佳作

島田潤松田設計事務所 30歳

佳作

南泰フジタ工業 30歳

佳作

箕原真早稲田大学 24歳

佳作

小川成洋早稲田大学 24歳

佳作

宇都宮常男

賞金

  • 1等[1点]
  •  
  • 100万円
  • 2等[2点]
  •  
  • 各30万円
  • 3等[3点]
  •  
  • 各10万円
  • 佳作[10点]
  •  
  • 各5万円
全て税込

審査委員

審査委員長 芦原 義信 武蔵野美術大学教授
審査委員 大高 正人 大高建築設計事務所所長
審査委員 黒川 紀章 黒川紀章建築都市設計事務所所長
審査委員 宮脇 檀 宮脇檀建築研究室所長
審査委員 相田 武文 相田武文設計研究所所長
審査委員 土橋 隆 日新工業社長