課題

都市を楽しむ住まい

課題文

都市は仕事をする場であっても、生活をする場ではない、と信じている人はまだ多い。しかし一方では、都市にしか住めなくなった都市型人類(ホモ・アーバニエンス)が、若者を中心に増加してきているのも確かである。そして避暑地やスキー場、最近ではゴルフクラブハウスにまで都会を持ち込む、そうした時代、その是非を論ずるのとは別に、もっと積極的に都市に楽しんで住むことを考えてもよいのではないか。都市での住まいがたとえ仮の住まいであっても、そこに前向きに住むことが大切ではないか、という視点からのデザインが今日の課題である。
都市を楽しむといっても、アンチ自然派になれというのではない。都会のなかの住まいに小さな自然をつくり出し、それを楽しむのもよい。光や風に都会のなかでの自然を感じるのもよいだろう。自然のシュミラークル(らしきもの)だってよいではないか。もちろんもっと積極的に、都市に関わっていってもよい。都市の景色を楽しむのもよければ、盛り場の雑踏を住まいで楽しめるような仕掛けが考えられれば、それも結構である。また都市のメリットである高度情報化社会を享受する住まいも、当然考えられる。ただ限られた空間の占有しか許されない都市生活であるから、さまざまなアイデアや仕掛けで、都市に住む楽しさを引き出す工夫が必要であろう。
しかしまた、これらすべてを網羅しようとしても、それは無理であろう。さまざまな可能性のなかから、自分自身で都市に楽しく住むとしたらどうしたいか、自らに十分に問い質して、リアリティあるコンセプトを提示して欲しい。
環境・敷地条件、一戸建てか集合住居の一画か、構造、設備、家族構成など、上記の趣旨に沿った応募者各自の設定に委ねる。
都市と住まい、その新しい関係を探った魅力ある応募案を来たいしている。

結果発表

一等

松本博樹三浦紀之建築工房 23歳

二等

張在元中国・武漢大学建築系 37歳

二等

宮元健次東京芸術大学 26歳

押尾章治東京設計学校 24歳

太田実東京設計学校 22歳

三等

福井辰治松田平田坂元設計事務所 26歳

三等

古川伸也東京都立大学3年 20歳

三等

松永基フリーランス 30歳

佳作

由田徹豊橋技術科学大学大学院 22歳

佳作

富岡真一郎大阪芸術大学芸術部建築科 21歳

品川尚美大阪芸術大学芸術部建築科 21歳

前原和美大阪芸術大学芸術部建築科 21歳

松富謙一大阪芸術大学芸術部建築科 21歳

児玉賢吾大阪芸術大学芸術部建築科 19歳

清水洋子大阪芸術大学芸術部建築科 19歳

西田真紀大阪芸術大学芸術部建築科 20歳

西村尚美大阪芸術大学芸術部建築科 19歳

山原美夏大阪芸術大学芸術部建築科 20歳

佳作

鈴木重則東京工業大学建築学科 23歳

佳作

周亮中国 重慶建築工程学院 21歳

聶暁晴中国 重慶建築工程学院 20歳

佳作

石川修次早稲田大学大学院 25歳

佳作

金田和之芝浦工業大学大学院 23歳

佳作

榊原賢司フリーランス 27歳

佳作

梅田善愛東海大学大学院 24歳

佳作

椎野嘉章金子建築設計事務所 25歳

佳作

鈴木智香子清水建設設計部生活文化・26歳

鈴木健夫(協力)

特別賞

文志宏京都工芸繊維大学大学院工芸学研究科・25歳

教野和子積水ハウス・23歳

特別賞

黒澤剛京都大学建築学科・21歳

特別賞

村田浩芝浦工業大学大学院・22歳

特別賞

中村耕史日建設計東京第一事務所設計部・29歳

特別賞

田高学東北大学建築学科4年・21歳

特別賞

赤川貴雄東京大学建築学科4年・22歳

八尾広東京大学建築学科3年・21歳

小西隆文東京大学建築学科3年・22歳

特別賞

高原康樹早稲田大学大学院1年・22歳

特別賞

鈴木信弘東京工業大学建築学科助手・25歳

原洋子神奈川大学建築学科・22歳

特別賞

季繪中国

特別賞

西崎寿志大阪芸術大学・21歳

竹本佳嗣大阪芸術大学・21歳

片本光治大阪芸術大学・21歳

松本直樹大阪芸術大学・21歳

日野竜太大阪芸術大学・20歳

前田由美大阪芸術大学・20歳

久保田理恵子大阪芸術大学・20歳

賞金

  • 1等[1点]
  •  
  • 100万円
  • 2等[2点]
  •  
  • 各30万円
  • 3等[3点]
  •  
  • 各10万円
  • 佳作[10点]
  •  
  • 各5万円
  • 特別賞[10点]
  •  
  • 各5万円
全て税込

審査委員

審査委員長 芦原 義信 武蔵野美術大学教授
審査委員 大高 正人 大高建築設計事務所所長
審査委員 黒川 紀章 黒川紀章建築都市設計事務所所長
審査委員 山本 俊介 清水建設取締役設計本部長
審査委員 石山 修武 早稲田大学教授
審査委員 相臺 淳吉 日新工業社長