二等
張在元中国・武漢大学建築系 37歳
都市は仕事をする場であっても、生活をする場ではない、と信じている人はまだ多い。しかし一方では、都市にしか住めなくなった都市型人類(ホモ・アーバニエンス)が、若者を中心に増加してきているのも確かである。そして避暑地やスキー場、最近ではゴルフクラブハウスにまで都会を持ち込む、そうした時代、その是非を論ずるのとは別に、もっと積極的に都市に楽しんで住むことを考えてもよいのではないか。都市での住まいがたとえ仮の住まいであっても、そこに前向きに住むことが大切ではないか、という視点からのデザインが今日の課題である。
都市を楽しむといっても、アンチ自然派になれというのではない。都会のなかの住まいに小さな自然をつくり出し、それを楽しむのもよい。光や風に都会のなかでの自然を感じるのもよいだろう。自然のシュミラークル(らしきもの)だってよいではないか。もちろんもっと積極的に、都市に関わっていってもよい。都市の景色を楽しむのもよければ、盛り場の雑踏を住まいで楽しめるような仕掛けが考えられれば、それも結構である。また都市のメリットである高度情報化社会を享受する住まいも、当然考えられる。ただ限られた空間の占有しか許されない都市生活であるから、さまざまなアイデアや仕掛けで、都市に住む楽しさを引き出す工夫が必要であろう。
しかしまた、これらすべてを網羅しようとしても、それは無理であろう。さまざまな可能性のなかから、自分自身で都市に楽しく住むとしたらどうしたいか、自らに十分に問い質して、リアリティあるコンセプトを提示して欲しい。
環境・敷地条件、一戸建てか集合住居の一画か、構造、設備、家族構成など、上記の趣旨に沿った応募者各自の設定に委ねる。
都市と住まい、その新しい関係を探った魅力ある応募案を来たいしている。
富岡真一郎大阪芸術大学芸術部建築科 21歳
品川尚美大阪芸術大学芸術部建築科 21歳
前原和美大阪芸術大学芸術部建築科 21歳
松富謙一大阪芸術大学芸術部建築科 21歳
児玉賢吾大阪芸術大学芸術部建築科 19歳
清水洋子大阪芸術大学芸術部建築科 19歳
西田真紀大阪芸術大学芸術部建築科 20歳
西村尚美大阪芸術大学芸術部建築科 19歳
山原美夏大阪芸術大学芸術部建築科 20歳
文志宏京都工芸繊維大学大学院工芸学研究科・25歳
教野和子積水ハウス・23歳
黒澤剛京都大学建築学科・21歳
村田浩芝浦工業大学大学院・22歳
中村耕史日建設計東京第一事務所設計部・29歳
田高学東北大学建築学科4年・21歳
赤川貴雄東京大学建築学科4年・22歳
八尾広東京大学建築学科3年・21歳
小西隆文東京大学建築学科3年・22歳
高原康樹早稲田大学大学院1年・22歳
鈴木信弘東京工業大学建築学科助手・25歳
原洋子神奈川大学建築学科・22歳
季繪中国
西崎寿志大阪芸術大学・21歳
竹本佳嗣大阪芸術大学・21歳
片本光治大阪芸術大学・21歳
松本直樹大阪芸術大学・21歳
日野竜太大阪芸術大学・20歳
前田由美大阪芸術大学・20歳
久保田理恵子大阪芸術大学・20歳
審査委員長 | 芦原 義信 | 武蔵野美術大学教授 |
審査委員 | 大高 正人 | 大高建築設計事務所所長 |
審査委員 | 黒川 紀章 | 黒川紀章建築都市設計事務所所長 |
審査委員 | 山本 俊介 | 清水建設取締役設計本部長 |
審査委員 | 石山 修武 | 早稲田大学教授 |
審査委員 | 相臺 淳吉 | 日新工業社長 |