課題

都市空間の再生計画

課題文

都市空間は多くの要因を背景として成立している。建築をはじめさまざまな都市施設が織りなし構成する都市空間は、その時代の社会や文化を解き明かす恰好の素材として調査・研究の対象とされてきた。遺跡や歴史的記念物はもとより、建築など私たちの身近にある街角や通り、橋なども、都市に住む人びとの歴史的な時代の軌跡をかたどる記憶の断片として集積され、都市空間はたえず再生されてきた。
しかし、戦災復興、都市部への人口集中、建設ラッシュ、スプロール現象、地価高騰、都心部の定住人口の減少、治安の悪化、などといった戦後のわが国の都市空間の変遷、および昨今の遷都論などを考え合わせてみると、都市空間は人びとのさまざまな行為の場所としてあるよちも、登記され消費される経済行為の対象としてのみ存在するかのようにさえ思える。また情報化と多様化といった時代的な背景を反映して、都市は、情報発信基地として位置づけられ新しい時代を担い主導していく新しい多くの機能を要求され、都市空間は再編成を余儀なくされている。
こうした現在的な情況を考慮して、としくうかんにおける何を継承し、何を革新し、何をつくりだすかを考えることは、きわめて重要な事柄であろう。応募者は再生すべき建築物あるいは都市施設を設定し、そこで繰り広げられるであろう人びとの新しいパフォーマンスを想定し、そのシナリオにふさわしい再生計画を展開して欲しい。都市空間の中にすでにある存在の意味を失ったもの、あるいは失いつつあるもの、あるいは改革すべきものなどから何を選択するか、課題はそこから始まるだろう。そして人びとにとって都市空間とは何かを考え、新しい都市空間のあり方を方向付ける応募案を期待している。

結果発表

一等

有馬浩一京都工芸繊維大学大学院 25歳

二等

田上健一筑波大学大学院 24歳

梁業埼(協力)

江金栄(協力)

二等

伊東繁孝波多江アトリエ 24歳

三等

鄧小兵中国 蘇州市規画設計院

三等

木村裕子筑波大学大学院 22歳

柴崎恭秀筑波大学大学院 25歳

張萬朋筑波大学大学院 35歳

斎藤達夫筑波大学大学院 39歳

三等

渡邊文博工学院大学大学院 23歳

鈴木敬吾工学院大学大学院 23歳

石川雅博工学院大学大学院 23歳

長澤浩二工学院大学大学院 22歳

大池卓工学院大学大学院 22歳

石川直人工学院大学大学院 21歳

浜井律子工学院大学大学院 21歳

佳作

阪田弘一大阪大学大学院 24歳

榎本靖倫大阪大学 22歳

佳作

平井光則トーヨコ地球環境研究所 24歳

新郷誠トーヨコ地球環境研究所 23歳

渡辺善之トーヨコ地球環境研究所 24歳

佳作

五月女寛日本大学大学院 22歳

土居大祐(協力)

佳作

佐藤健工学院大学大学院 23歳

佐野哲也工学院大学大学院 23歳

後藤哲也工学院大学大学院 22歳

朝田志郎工学院大学 21歳

酒井伸弘工学院大学 21歳

佳作

川久保智康日本大学 23歳

野沢良太日本大学 21歳

花沢真哉日本大学 21歳

高山一頼日本大学 22歳

伊藤裕日本大学 22歳

森泉尚之日本大学 22歳

額村康博日本大学 24歳

布川亨日本大学 20歳

八代匡彦日本大学 22歳

佳作

鶴潔室蘭工業大学大学院 23歳

小藤一樹室蘭工業大学大学院 24歳

布野和彦室蘭工業大学 22歳

神浩之室蘭工業大学 22歳

山森誠室蘭工業大学 22歳

大塚達也室蘭工業大学 21歳

三本和代室蘭工業大学 20歳

佳作

孫駿中国 武漢城市建設学院 27歳

郭土兼中国 武漢城市建設学院 28歳

佳作

清水裕二東京大学生産技術研究所 25歳

佳作

青山祐早稲田大学大学院 25歳

佳作

有馬浩一京都工芸繊維大学大学院 25歳

西本武史京都工芸繊維大学大学院 25歳

賞金

  • 1等[1点]
  •  
  • 130万円
  • 2等[2点]
  •  
  • 各50万円
  • 3等[3点]
  •  
  • 各20万円
  • 佳作[10点]
  •  
  • 各10万円
全て税込

審査委員

審査委員長 芦原 義信 芦原建築設計研究所所長
審査委員 大高 正人 大高建築設計事務所所長
審査委員 黒川 紀章 黒川紀章建築都市設計事務所所長
審査委員 押野見 邦英 鹿島建設建築設計本部副部長
審査委員 高松 伸 高松伸建築設計事務所所長
審査委員 相臺 淳吉 日新工業社長