一等
白石隆治フリー
中庭はいつの時代においても、またどのような気候風土のもとにおいても、住まいの有効なファクターとして活用されてきた歴史がある。 わが国の都市の住まいであった町屋や近年のコートハウスの中庭は、密集した周辺環境に立地する住まいに光と風を運び、四季折々の自然を感じさせるだけでなく、生活環境に広がりと変化を与える役割を担ってきた。その役割は情報化社会を迎え、ますます輻輳化する現代の都市の住まいにおいても変わることはないであろう。いやむしろ、変貌する都市や多様化する生活形態、さまざまなアクティビティに対応して、それに相応しい中庭の新しい可能性を導き出さなければならないのではなかろうか。 それは戸建て住宅に限らない。集合住宅においても、住戸群によって囲まれた中庭が、新しいコミュニティをつくり出すことなどが考えられるだろう。また自らが恵みを得るばかりでなく、周辺環境への配慮としての中庭のあり方があるかも知れない。 都市におけるこれからの新しい住まい方に対応した中庭のあり方とかたちはどのようなものであるべきか、魅力ある「中庭のある都市の住まい」の提案を求めたい。
審査委員長 | 北川原 温 | 建築家 |
審査委員 | 三栖 邦博 | 建築家 |
審査委員 | 光井 純 | 建築家 |
審査委員 | 吉松 秀樹 | 建築家 |
審査委員 | 西沢 立衛 | 建築家 |
審査委員 | 相臺 公豊 | 日新工業株式会社社長 |