一等
能作文徳東京工業大学3年
「屋根のさまざまな可能性を考えて、その屋根と(共に)住む」ための提案を求めます。
屋根は古より住まいのもっとも根元的な要素である。プリミティブハットに代表されるように「屋根を架けること」は建築の原型といえる。直接的には、雨露を凌ぐものではあるが、わが国でも、「屋根」という言葉にはさまざまな、意味合いが込められて使われてきた。大切な何かを育む覆いといった意味合いも含まれているように思う。今、私たちの生活や環境に必要な大切なのはどんな、ものやことなのだろうか。
フィジカルには、屋上も立派な屋根のひとつと考えられる。そこを緑化することだけが魅力ある活用法ではない。さまざまなペイントハウスのあり方が考えられる。屋上にどのような住空間があり得るのか、魅力ある屋上空間を考えることもできるだろう。また、roofには頂部という意味もある。
「屋根と住む」とは、何も屋根裏に住むことを指しているのではない。どのような場所に、どのような屋根を架けるのかを考えることもテーマになる。そこでは、どのような環境がつくり出され、どのような活動が行われることになるのかを問い、応えることがあり得るだろう。
今回は「屋根」の概念を広げて捉え、より積極的に「屋根と関わりをもって住む」ことのさまざまな魅力あるあり方を考えて提案して欲しい。
審査委員長 | 北川原 温 | 建築家 |
審査委員 | 三栖 邦博 | 建築家 |
審査委員 | 光井 純 | 建築家 |
審査委員 | 吉松 秀樹 | 建築家 |
審査委員 | 西沢 立衛 | 建築家 |
審査委員 | 相臺 公豊 | 日新工業株式会社社長 |