一等
永井仙太郎大阪大学大学院
山本 葵大阪大学大学院
今年のテーマはとてもシンプルです。
「水の家」です。
誰にとっても身近な「水」と「家」。このふたつをどのように読み解くか、みなさんの新鮮な発想を楽しみにしています。
さて、「水」という言葉からみなさんは何を連想されるでしょうか。
科学的には、酸素と水素の結合体「H20」という化学式で記され、0℃で固体となり、100℃で気体になる物質です。
自然の中の水の様相は、湧水、河川、湖、湿地、オアシス、地下水、滝、海、などが挙げられます。加えて、霧雨、驟雨、夕立、靄、霧、雲、雪といった天候として表される水があり、気化すれば湿気として空間全体を満たし……と、書き始めれば、とどまるところなくさまざまな様態が思い浮かびます。
私たちの生活においては、散水、行水、入浴、温泉、茶の湯、調理など、行為と結びついた姿が想起されます。他にも、水を溜める道具や、水を集める、避けるための道具なども連想されます。
また、津波や洪水など、圧倒的な自然の力として私たちの前に現れることもあります。
一方、イメージとしての水は、古来から、世界を形成する4あるいは5大元素と位置づけられ、水星、水曜日などの呼称になり、東大寺のお水取りなどの歴史的行事や、青海波のような伝統的な模様にもなっています。
モネの「睡蓮」や葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」など、水の景観は多くの名画の題材となり、和歌や俳句、ことわざや慣用句、歌詞、映画や演劇の題材などにも幅広く浸透し、美しい言葉を生み出しています。
そもそも私たちは、水の惑星・地球に生を受け、水によってできた身体を持って生きている生物であることを忘れてはいけないでしょう。
私たちと切っても切れない関係にある水と真正面から取り組み、みなさんが考えた「水の家」をご提案下さい。
審査委員長 | 六鹿正治 | 日本設計代表取締役社長 |
審査委員 | 北山 恒 | 横浜国立大学大学院Y-GSA教授、 architecture WORKSHOP主宰 |
審査委員 | 山梨 知彦 | 日建設計執行役員設計部門代表 |
審査委員 | 乾 久美子 | 東京藝術大学准教授、 乾久美子建築設計事務所主宰 |
審査委員 | 長谷川 豪 | メンドリジオ建築アカデミー客員教授、 長谷川豪建築設計事務所代表 |
審査委員 | 相臺 公豊 | 日新工業代表取締役社長 |